一橋大学MBA 合格体験記(その1:全体感)
2021年4月から一橋大学院に入学します。
働きながらどのように大学院合格を勝ち得たのかをお伝えします。今後受験をご検討の方のお役に立てたら嬉しいです。
私の属性
まず、筆者がどんな属性を持った人間かをお伝えしたいと思います。
- 社会人歴:約15年
- 転職経験:1回
- 職種:システムエンジニア
- 副業など:ベンチャーで副業(大学院進学に向けて時間を確保するために事前に契約終了)、NPOでボランティア実施
システム畑が長く、決められたビジネス要件(WHAT)をシステム(HOW)に落とし込むことを長年やってきました。ビジネス要件を実現するためにQ(品質)C(コスト)D(納期)をいかに守って顧客に納入するか?が最大のポイントです。
納品して終わりのシステム開発ではなく、自社サービスを持っており納品してからがスタートである会社で仕事がしたいという想いが強くなり転職しました。現在は、自社サービスの企画開発に従事しています。
なぜ、大学院(MBA)に通おうと考えたのか?
これまでの実践のみのスキルでは、自分のキャリアの幅が広がらないと考えるようになり、MBAを目指すようになりました。
自社サービスの企画開発業務で感じているのは、顧客や自社のビジネス課題を深く理解し、その課題にヒットさせる企画を出さないと採用してもらえず、顧客も離れていくことを実感したからです。このビジネス課題を捉える上で企業経営に関わる知識が圧倒的に自分に不足していることを痛感しています。
そこで、ビジネススクールに通い、企業経営に関わる全般の知識を得ると共に様々な業種・業界から来る学友と議論を行うことで思考を鍛えたいと思うようになりました。
大学院(MBA)を選ぶ基準は?
ビジネススクールを選択する基準は大きく分けて以下の通りです。
※私の主観が多く入っています。
- 国内or海外
- 国内
- メリット:日本語で授業が受けられる。移住などのコスト面での負担が少ない。
- デメリット:グローバルで見たときに日本国内の学生比率が高く、人脈の幅は限られる。
- 海外
- メリット:世界中から人が集まり人脈の幅が広がる。英語力も伸ばせる。
- デメリット:移住費用が必要。入試対策としてTOEFL/IELTS対策/GMAT対策が必要。
- 国内
- 全日制or夜間
- 全日制(フルタイム)
- メリット:2年間、みっちり授業を受け学業のみに専念が可能になる。
- デメリット:大学院に通っている期間は収入が減ります。また、キャリアの断絶が起きる可能性がある。
- 夜間(パートタイム)
- メリット:仕事上のキャリアと収入を維持しながら、学業に取り組めます。また、学業で学んだことを実践(職場)で活かすことができる。
- デメリット:業務都合で授業に参加できないリスクがある。仕事と学業の両立に悩む。
- 全日制(フルタイム)
- 国公立or私立or通信
- 国公立
- メリット:学費が安い。少人数教育であるところも多く、教授からのサポートが手厚い。
- デメリット:少人数なため、幅広い人脈形成には向かない。
- 私立
- メリット:大規模なところが多く、授業数や教員数、学生数が多い。
- デメリット:学費が高い。大規模な分、発言機会や教授からのサポートが薄くなる。
- 通信
- メリット:時間に縛られず学べる。学費は国公立〜私立の間くらい。
- デメリット:ディスカッションによる学友や教授とのコミュニケーションが希薄になる。
- 国公立
自分の置かれている環境や嗜好、費用面などの要素から比較していく必要があります。
家族とのコミュニケーションは?
ビジネススクールに2年間通うということは、家族への相談が必須です。
全日制の場合は2年間無給になります。夜間の場合は日中帯は仕事をして18時から22時まで授業を受け、帰宅後も課題に取り組むといった時間が必要になります。そして土曜日も授業がある場合もあります。
家族へ負担をかけることになりますので、話し合いが必要です。私の場合、大学院受験を打ち明けた際に妻が「チャレンジを応援する」と後押ししてくれたのが大きかったです。
どのように学習したのか?
ビジネススクールに入学するためには、以下の要素が必要となります。
- 経営学全般の知識習得
- 戦略論、組織論、マーケティング論といった経営学全般の基本知識
- 小論文
- 論理的に自分の主張を伝える文章作成力
- 研究計画書
- なぜ、MBAを目指すのか?大学院で何を学びたいのか?何を研究して明らかにしたいのか?
- 面接
- 研究計画書の内容についての深堀り
これらを効率良く習得するために私は予備校に通いました。コストのことを考えると自己学習のみでチャレンジすることも可能ですが、予備校には大学院受験に必要なエッセンスが凝縮されており、学習効率が高く、私は予備校に通って良かったと思っています。
学習スケジュールは?
私は2020年4月から予備校に通い始め、11月に行われた一橋大学院面接試験に合格しました。そのため、学習期間は約8ヶ月間です。私の学習スケジュールは以下の通りです。大きく3つの期間に大別されます。
- 基礎固め期間(2020年4月〜2020年5月):2ヶ月間
- 予備校の教材を使って、入試で求められる経営学の知識習得と小論文の書き方を学び、課題を通じて実際に小論文を書きました。
- 併せて、予備校の推奨図書にもなっていた、大学院・大学編入学 社会人入試の小論文 改訂版 思考のメソッドとまとめ方を使って、小論文を書く上で必要な知識を身につけました。
- 小論文対策については、「とにかく沢山書く!」これしかないです。ただ読むだけでは書く能力は身につきません。(もちろん、正解例を読んで論文の構造を理解することは重要です)
- 以下、小論文対策はずっと続きます。
- 研究計画書の構想立案期間+小論文対策期間(2020年6月):1ヶ月間
- なぜ、MBAを目指すのか?大学院で何を学びたいのか?何を研究して明らかにしたいのか?をブレストしました。
- 実際に研究計画書を書きながらブラッシュアップしていきました。まず、たたき台として自分が考えていることを洗い出すフェースです。
- 研究計画書(東京都立)の執筆期間+小論文対策期間(2020年7月):1ヶ月間
- 私は、一橋/早稲田/東京都立の3校を受験しました。
- 東京都立は研究手法まで詳細に書く必要があることや出願日が一番近い(2020年は、7月27日〜31日)ことから、最初に執筆に着手しました。
- 各校、研究計画書で聞かれる内容はニュアンスは違いますが、大体以下の内容です。
- MBA志望動機、数ある大学院の中で当該大学院を志望する理由、研究テーマ、研究内容、大学院卒業後のキャリアプラン
- 研究計画書の執筆のベースとなるのが、小論文の書き方になるため、小論文対策はず〜と必要です。
- 予備校では小論文の1課題につき3回まで添削してもらえたので、2回目に着手しました。
- 研究計画書の執筆に集中したかったので、小論文を書く頻度は落としました。
- 面接対策(東京都立)+小論文(東京都立)対策期間(2020年8月):1ヶ月間
- 東京都立は、筆記試験と口頭試問が同日に実施されます。
- 筆記試験では、経営学の知識を問う問題が出るため、予備校の教材の2週目の学習を行いました。
- また、面接では具体的な研究手法や先行研究について問われることから、研究計画書に書いた内容を改めて深堀していきました。
- 研究計画書(一橋/早稲田)の執筆期間+小論文対策期間(2020年9月):1ヶ月間
- 東京都立の試験が9月5日に実施され、面接で研究計画書への激しいダメ出しを受ける&上手く話せなかったことから、一橋と早稲田の出願に向けて、ここで研究計画書の全面刷新を決意しました。(←おい!)複数校受験は絶対に行った方が良いです。身にしみて実感しました。。。詳細は面接編でお伝えできたらと思います。
- 一橋は9月28日〜10月2日、早稲田は10月1日〜7日が出願期間でした。出願期間が近いことや一橋の出願書類を固めれば、早稲田の出願書類も書きやすかったため、先に一橋の出願書類作成に着手しました。
- 研究計画書の執筆に集中したかったので、小論文を書く頻度は落としました。(というか全面刷新したので、ほぼ書く余裕はありませんでした)
- あと、研究計画書は第三者に必ず読んでもらうことをオススメします。専門用語や業界用語を普通に使ってしまうと、背景を知らない相手には伝わらないので、、
- 小論文対策(一橋)期間(2020年10月前半):0.5ヶ月間
- 2020年は新型コロナの影響もあり、早稲田の筆記試験が中止となったため、一橋の筆記対策を行いました。
- 一橋と早稲田は一次試験に筆記試験があり、合格者のみ二次試験の口頭試問があります。つまり、一次試験で足切りがあるのです。
- 一橋の筆記試験の特徴として、経営学の知識そのものを問うというより、課題文の読解力と自分自身の主張を論理的に文章で表現することが求められます。
- 特に私は予備校から推論についての指摘を多々受けていたため、重点的に対策をしました。
- 面接対策(一橋)(2020年10月後半):0.5ヶ月間
- 面接対策としては、出願書類に書いていることを論理的に話す練習に徹しました。
- 特に一橋では、冒頭5分で出願書類の内容をベースに自己紹介をする必要があるため、以下の流れに沿って論理的かつ簡潔に伝えられるように何度も練習しました。ストーリーが重要です!
- これまでの経歴→志望動機(なぜMBAを目指すのか?)→なぜ一橋なのか?→研究したいテーマと内容→卒業後のキャリアプラン
- あとは、予備校の面接対策講座として、模擬面接が1回受けられるため、本番を意識して挑みました。
- 結果、これまでの経歴を長く話し過ぎて5分をオーバーしてしまい、何を伝えるのか?面接官に何を持って帰ってもらうのか?を意識して余計な情報は絞りました。これが非常に良かったです。
他にやったことは?
論文対策というと、書くことに意識がいきがちですが、文章を読む力がまず必要です。文章読解力を身につけるために、日本経済新聞の「経済教室」や「やさしい経済学」はよく読みました。また、日経ビジネスなどのビジネス雑誌を読んで時事ネタもキャッチアップしました。
今後、予備校や、小論文対策や研究計画書作成で取り組んだことも書いてますので、是非ご覧ください!
・一橋大学MBA 合格体験記(その2:河合塾KALSを選んだ理由)
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