一橋大学MBA 合格体験記(その4:研究計画書対策)
研究計画書についてこちらではお伝えします。
大学院によって、様々な呼ばれ方をしています。一橋の場合、「学習と職務に関する経歴書」「将来計画書」という2つを提出する必要があります。
学習と職務に関する経歴とは?
学習と職務に関する経歴書は「これまでに経験してきた職務・学習の内容とその成果・実績等 (年代順に記述)」について、合計2000字程度で書きます。
注意したいのは、履歴書ではないということです。経歴や職歴をつらつら書くのではありません。どのような職務を経験してどのような結果を出してきたのか。そして、どのような学習をしてきたのか、を年代順に書く必要があります。つまり、大学院での学びが実践のビジネスに活かせる人なのか?を見られます。
私は、以下の要素を入れるように意識しました。
- 年代別に主に従事してきたこと
- 従事した中でどのような成果をあげたのか?
- 当時、どのような課題があり、その原因は何だったか
- その原因に対処するために、自分がどのような取り組みをして、どのように解決したのか
- その結果、2.に書いた結果を挙げられた
- また、従事する中で、学びを体系化するための資格等の自己学習を行なった
この順番で要素を埋めていきました。2000字程度(=A4で2枚くらい)の分量であることから、ポイントを絞って書く必要があります。
また、読み手はあなたの業界のことや業務の背景を知らない人である前提で書く必要があります。
そのため、業界や社内でしか通用しない用語は使わず、平易な表現にしましょう。
将来計画書とは?
なぜ「研究計画書」と呼ぶ大学院もある中で、「将来計画書」と呼ぶのでしょうか。
一橋で学んだことをキャリアの中でどのように活かしていきたいのか?を重視しているからだと私は考えています。それは一橋が理念として掲げるCaptains of Industryに現れています。
キャプテンズ・オブ・インダストリー”はイギリスの思想家にして歴史家、Thomas Carlyle(1795~1881)が1843年に著した『Past and Present』(邦題『過去と現在』)に求められます。同書、第4編“ホロスコープ”第4章は“キャプテンズ・オブ・インダストリー”と題され、この中でカーライルは、“キャプテンズ・オブ・ザ・ワールド”としての“リーダーズ・オブ・インダストリー”を論じています。 “キャプテンズ・オブ・インダストリー”つまり、国際的に通用する産業界のリーダーたり得る人材の育成。これが教育機関として一橋大学が創設して以来、使命としてきたものです。明治8(1875)年に森有礼が私設した商法講習所の時代から本学は、単に西洋式の「商法」-「商い方」を身に付け、即戦力になる人材を供給することだけではなく、"キャプテンズ・オブ・インダストリー”にふさわしい実業人の育成を目標としてきました。産業界における高貴な騎士道精神を前提とした"キャプテンズ・オブ・インダストリー”は、一橋大学の理念として、今に至るまで語り続けられてきました。
https://www.hit-u.ac.jp/guide/outline/captains_of_industry.html
つまり、「あなたは今、仕事をしていてどんな問題意識があるのか?その問題意識を解決するにあたり、MBAである理由は?そして一橋である理由は?」をしっかりとアピールする必要があるのです。
将来計画の中には以下の要素を書く必要があります。
- 志望動機
- 入学後の計画
- 修了後の計画
上記の3要素を体系立てて説明していきます。
1.志望動機について
なぜ、MBAを志望するのか?かなりシンプルな質問です。シャープに伝える必要があります。
ただお勉強したいで〜す。では当然ダメで、現在業務で抱えている課題があり、それを解決するためには実戦のみではなく、大学院で経営学を学ぶ必要があるのだ!と強いメッセージが必要になります。
私は、以下の構成で書きました。
- MBAを目指す理由として自社ビジネスへの貢献のために幅広い経営理論と深い思考力が必要だと判断した
- 自社が抱える課題と自分が直面している課題がこれ
- 上記の課題を解決するために、一橋が最適である理由はこれ
2.入学後の計画について
一橋に入学して1年次と2年次にかけてどんなことを学びたいのか?2年次のワークショップでは何を突き詰めていきたいのか?を書きます。
1年次と2年次にかけてどんなことを学びたいのか?については、ほぼ皆が同じことを書くと思います。当然、差別化するポイントは、2年次のワークショップでは何を突き詰めていきたいのか?です。
これは、「1.志望動機」で書いた課題の解決策の提示になります。
私は、自分が持つ問題意識を大学院の場でどのように理論化し、実践の場でどのように活用するのか?を述べました。
研究計画書という形で研究手法の詳細化などアカデミックな記述が求められる大学院もありますが、一橋の場合は実践の場で直面している課題に対してどのようにアプローチしようと考えているのか?を重視しているように思います。卒業論文ではなく、ワークショップという表現を使っているのもその現れです。
ここまでが、一橋の出願書類のメインである「学習と職務に関する経歴書」「将来計画書」についてでした。
この書類は面接でも使われますので、一番時間をかけて内容を練ってください。また、私は一橋よりも試験日が早い他のMBAも受験しました。そこでは研究テーマをなるべくアカデミックにせねば!と考え、実務とはかけ離れすぎた研究テーマを設定してしまい、面接でコテンパンにやられました。。。そのため、一橋に向けては改めて、自分がなぜMBAに通いたいのか?それはどんな問題意識からくるのか?を突き詰め、自分の業務に直結する内容に改めた経緯があります。皆さんも、ぜひ、今仕事で直面している課題に向き合い、MBAがなぜ必要なのか?を考える時間を多く取ってくださいませ!
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